十勝岳登頂は特殊低速攻撃機モトコンポには厳しい営みであった。
作戦マップを見て判る通り、消耗したモトコンポ隊は後半のダムめぐりの進軍を諦め、元のコースを戻らなくてはいけなかったのだ。
作戦隊長は作戦終了後に次のように語っている。

十勝岳への道のりは決して険しい道ではない。
しかし、それは一般車に限っての事。
最高出力2.5馬力、変速機能なしのモトコンポにとっては、極めて過酷な条件であった。
ある者はスローダウンしながら最後の力を振り絞り、ある者は股関節が痛くなるまで足で漕いだ。
そしてある者は、婦女子の助手席ではしゃいでおった。


作戦隊長が語った通り、非力なモトコンポにとって連続する坂道を登坂するのは想像を絶する苦行なのである。
それは全国的に有名な荒畑輪業主催のモトコンポミーティングにおいて、何台もの脱落車両が続出するのをみても明らかである。
これはモトコンポのエンジン出力が小さい事にもよるが、最大の原因は変速機構を持たない事に尽きるものと考えられる。
現に今回同行したスカッシュにおいては、僅かに出力は大きいもののストレスなく登頂を成功している。
モトコンポがチェーン駆動なのに対し、スカッシュはベルト駆動であり、変則機構を持たないのは同様であるが、「モトコンポ大明神」と呼ばれた一三六氏のスカッシュがノーマルだとは考えずらい。
一三六氏のスカッシュにおいては、プーリーによる変速機構を搭載するのに加え、トルクカムにより登坂能力を増大する改造を加えていた事は容易に想像できる。



頂上手前の駐車場にて
ここでおちゃらけているのは、もちろん突撃隊長である



来たぞ若者。良く頑張った。



ターボⅡは110馬力の出力を誇る。
余裕の走りである。



ようやく十勝岳駐車場に到着。



【訂正】
文中の「荒畑輪業」が「荒畑林業」になっていたため訂正いたしました。
ご指摘いただいた森のきこりさん、ありがとうございました(^^)